今から30年前、
ロッキード事件というのがあったのはご存知ですよね?(若い方にはご存じないかもしれませんが。そもそも事件がおきたのは生まれる前だったので)前内閣総理大臣だった田中角栄が、ロッキード事件で受託収賄と外国為替・外国貿易管理法違反の疑いで逮捕されてから今日で30年が経ちます。
このロッキード事件について解説していきますが、1976年2月に明るみに出た戦後の日本を代表する大規模な汚職事件です。
ANAの新型旅客機導入選定に絡み、前内閣総理大臣で自由民主党の衆議院議員で、「今太閤」、「コンピューター付ブルドーザー」と称された田中角栄が、同年7月27日
(つまり30年前の今日)に受託収賄と外国為替・外国貿易管理法違反の疑いで逮捕されるという前代未聞の事件となりました。「総理の犯罪」の異名を持ちます。田中前総理の他にも佐藤孝行運輸政務次官(逮捕当時)や橋本登美三郎元運輸大臣が逮捕され、戦後の疑獄事件を代表する大事件となりました。
この事件の経緯チャーチ委員会1976年2月4日にアメリカ合衆国上院で行われた、上院議院多国籍企業小委員会(チャーチ委員会)公聴会で、大手航空機製造会社のロッキード社が、ANAをはじめとする世界各国の航空会社(ヨルダンやメキシコなど)に大型ジェット旅客機「L-1011 トライスター」を売り込むため、各国の政府関係者に巨額の賄賂をばら撒いていた事が明らかになりました(ANAへの工作費は約30億円だったと言われています)。
政治家・右翼・政商さらにその後、ロッキード社のアーチボルド・コーチャン副会長とクラッター元東京駐在事務所代表が、日本においてロッキード社の裏の代理人的役割をしていた右翼の大物、児玉誉士夫に「コンサルタント料」として21億円あまりが流れ、さらに児玉から、児玉の友人で国際興業社主で「政商」と呼ばれる小佐野賢治や、ロッキードの日本における販売代理店である総合商社の丸紅などを通じ、当時の内閣総理大臣である田中に対し5億円が密かに渡されたことを証言しました。
トライスター発注この様な工作が行われた結果、当時ANAは次期大型旅客機としてマクダネル・ダグラス社(その後ボーイング社に吸収合併)が製造したDC-10を正式発注する直前の状態で、これを見越したマクドネル・ダグラスの日本における販売代理店である伊藤忠商事によりマクドネル・ダグラスに対して発注され、引き渡し予定のほぼ完成したDC-10がロングビーチのマクダネル・ダグラスの工場で完成している状態でありましたが、これがこれらの工作により土壇場で覆され、その結果全日空はロッキード社の製造したL-1011トライスターを発注しました。
なお、この発注に先立つ1972年9月に東京で行われた日英首脳会談で、イギリスのエドワード・ヒース首相が田中に対して、ロールス・ロイス社製ジェットエンジンを搭載したトライスター機の購入を強力に働きかけていたことが、2006年に公開されたイギリス政府の機密文書で明らかになりました。これに先立つ1971年2月にロールス・ロイス社は、トライスター用のエンジン「RB211」の開発失敗により倒産し、当時イギリス政府によって国営化され再生途上であったことから、イギリス政府もアメリカ政府とともに、自国企業の存続をかけて強力なセールス活動を行っていた形になります(なお、イギリス政府やロールス・ロイス社の関係者による、田中などに対する受託収賄は確認されていません)。
証人喚問その後、事件関係者として衆議院予算委員会に小佐野賢治や檜山広丸紅会長、若狭得治ANA社長(2005年12月27日没。本当は運輸省(当時)事務次官を経てANAに入社し、
「日航に追いつき追い越せ」と檄を飛ばし、
「全日本空輸中興の祖」とまで言われるように現在のANAを作り上げてくださった方です)などが証人喚問された(後に3人とも東京地裁に起訴され有罪判決を受けました)。捜査を指揮した伊藤栄樹・東京地方検察庁検事(のち検事総長)の証人喚問での答弁「まず初めに“5億円ありき”とご承知願いたい」は有名。
裁判田中元首相に対する公判は1977年1月27日に東京地方裁判所で開始、1983年10月12日に田中角栄元総理に懲役4年の有罪判決が下りました(5日後に保釈金2億円を払い保釈しましたが)。田中は控訴しましたが1987年7月29日に控訴棄却、上告審の最中の1993年12月16日、田中の死去により公訴棄却となりました。1995年2月22日、秘書の榎本敏夫と檜山広は最高裁判所で有罪判決を受けました。その後、他の被告も次々と病死し、現在生存する元被告は榎本、佐藤孝行、太刀川恒夫の3人のみとなりました。
なお、田中は有罪判決後も衆議院議員を辞任せず、その後の選挙でも地元新潟の有権者が田中を国会に送り続けたため、自由民主党の重鎮として君臨し続けました。
流行語事件の捜査や裁判が進むにつれ、事件関係者が発した言葉や事件に関連した符丁が全国的な流行語となりました。
「ピーナツ」(贈賄時に100万円を「1ピーナツ」と呼んで数えていた 他に「ピーシズ(pieces)」も)
「(ぜんぜん)記憶にございません」(小佐野賢治が衆議院予算委員会で事件について聞かれた時の言葉)
「ハチの一刺し」(田中元総理の元秘書で、事件で有罪となった榎本敏夫の三恵子前夫人が、榎本に不利な法廷証言を行なった心境について述べた言葉)
「よっしゃよっしゃ」(田中元総理がANAへの工作を頼まれたときに発したとされる言葉)
この30年間政治家による様々な汚職事件が起きましたが、やはりロッキード事件はかなり大規模なものなのでこの事件を覚えていらっしゃる方は忘れることができないでしょう。ちなみに私の世代ですとリクルート事件、佐川急便事件なら知ってるのですが(それでもまだ小学生から中学生くらいの時期だったので頭の中に残っているくらいですが)
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posted by ☆組原理主義SAKAE at 08:33
2006年07月27日
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